オルクログ BLOG
2026.05.01
ワイヤレス映像伝送システムを使ってますか?前編 #DJI SDR Transmission Combo
こんにちは、オルクの松坂です。
突然ですが、みなさんは ワイヤレス映像伝送装置(映像トランスミッター) を使っていますか?
大きな現場やワンオペの撮影だとモニタリングが必須となる映像業界では、このワイヤレス映像伝送装置があるのはごく自然ではないでしょうか。 今回はそのワイヤレス映像伝送装置がどのように進化し今に至るのか、どのような機材があるのか、そもそもどういった理論なのか少し深掘りしていきます。
どういう仕組み ?
本記事中盤の話にも基礎知識が必要なので説明します。
が、この項目はネットで調べればたくさん出てくるので手短に!
〈映像トランスミッターは無線で映像を送受信し、主にWifiなどで利用される周波数帯へ電波を飛ばします。
カメラ本体と送信機をHDMI or SDIケーブル(短いもの)で繋ぎ、映像を圧縮(エンコード)して、5GHzなどの周波数帯を利用し、
受信機へ飛ばします。受け取った映像は圧縮復元(デコード)されモニター、ディスプレイへ出力されます。〉

通常、撮影している映像をモニターへ出力する際はHDMIケーブルをモニターへ、もしくはSDIケーブルをコンバーターへ入力し、モニターへ出力したりします。←ここはなんとなくイメージできるかと思います。
ただ、規模が大きくなれば撮影者との距離も広がり、ケーブルの長さも嵩張ります。
名の通り、ワイヤレスで映像を飛ばせるメリットはここでも発揮されますね!
セットアップが簡易的で、接続方法も送受信機でチャンネルを合わせるだけなので作業効率がアップしますし、片付けも長いケーブルを巻く必要がないので、現場に寄り添った機材という事です。
無線映像伝送機の要点
しかし、当然ワイヤレスということもありメリットばかりではありません。
電波に依存するため周辺環境によって機能面が左右されます。
予め気になる点を押さえておき、実際に比較してみます!

こちらはDJIから2024年に発売されたワイヤレス映像伝送機の送受信機セットです。
コンパクトな見た目と軽量化、従来のワイヤレス映像伝送機と比較すると圧倒的なコストパフォーマンスで人気の商品です。
弊社でもよくレンタルされるので、プロの方々から支持を得ているのがわかります。
下記、各スペックになります!

長々とすみません...まあ、ざっと見てもよくわかりませんね。
説明していきますのでご安心ください...
前段でも説明した通り、映像を伝送するには特定の周波数帯を使用します。
【動作周波数帯】でも確認できるように、2.4GHz/5.8GHzの周波数帯を利用しています。
これは皆様にもお馴染みのWi-Fiの周波数帯域です。
これら(2.4GHz/5.8GHz)は非DFS周波数帯に含まれていますが、その難しい言葉はなんだ...と言う感じですよね。
簡単に説明すると、DFS(Dynamic Frequency Selection)は、
周波数帯の効率的な利用を目的に、気象レーダーなどで使用されている5GHz帯の一部でも使用できるようにした仕組みです。
日本国内における5GHz帯は、衛星通信や気象レーダーも利用している共用の帯域になります。
5GHz内の特定の帯域はDFSによってレーダー検知され、帯域が被らないように別の周波数帯へ移動させます。これにより、混信を避けています。
DFS発動 → 強制移動 → 一瞬止まる、が本来無線ルーターなどに見られる動きです。
2.4GHz/5.8GHzは気象レーダーなどと帯域を共有しないため、DFS機能は不要。
非DFS周波数帯と言うことです。
"SDR"とDFSの強み
実はDJI SDR Transmissionの"SDR"こそ、この製品の魅力になっているんです。
SDR(Software Defined Radio)はソフトウェア無線と言い、ソフト上で通信機能を最適化する仕組みです。
DJIはドローン産業の先端を走るメーカーですが、SDR機能はそのドローンにも搭載されており、当機材などへとその技術が落とし込まれていると言うことです。
2.4GHz帯で混信があったそしても、SDR機能により即座に別の周波数へ移動
↓
5.8GHz帯へ
↓
混信
↓
また別の帯域へ...
〈常に周波数を検知ー混信を予測ー移動〉をシームレスに切り替える事で耐干渉、高画質、長距離の映像伝送を叶えていると言うことです。DFSでネックになる"切り替え時に止まる"を抑止しています。
まさに"SDRはDFSを使いこなす頭脳"というイメージです。
また、送配信モードでは一つの送信機に対して、接続できる受信機の数に制限は無く、無数のモニタリングが可能です。
3つのSDR信号と送信機から、バーコードで読み取るWi-Fi信号でも受信機とリンクができますので、お使いのタブレットやスマートホンでも"DJI Ronin"アプリをインストールすることで、モニタリングできます。
受信機はType-C出力ポートがある為、タブレット/スマートフォンに直挿ししても、モニタリング可能です。



ただし、スペック表はあくまでも理論値です。
伝送最大距離も遮蔽物がない見通しの良い直線距離、通信環境が安定した状況で発揮されます。
ここからは実際に距離を軸に3シュチュエーションで検証を試しみました。
◉人混みの少ないエリア
まずは平坦な道でどれだけ飛距離が出るかの実験です。
過去に実験した際の動画があるのでご確認ください!
別日にも同じ様な工程で実験してみたのですが、概ねこの環境では60m付近から映像がチカチカしてきます。
約90m付近からは画質のクオリティを落として伝送距離にエネルギーを消費し始めました。
そして、130m付近で完全にブラックアウト。
しかし、この粘り強さといい、飛距離もさすがだなと感心...そんな結果でした。
◉人混みの多いエリア
では人混みの中はどうでしょうか?
当然、人の数だけ通信環境も混み合ってます。2.4GHzは波長が長いため透過性に優位ですが比較的干渉しやすいです。また5GHzは帯域は広いですが、波長が短く壁や障害物には減衰しやすい傾向にあります(環境によって異なる場合もある)。
両帯域を使用するTransmission Comboは果たして...
新橋駅のJR北口改札を出ると、日比谷口(SL広場側)と銀座側に出口があり、トンネルのようになっています。
その空間に人がたくさん行き交う為、約100mほどの直線距離を散歩してみます。


30m〜50mあたりで画質が落ちました




往復で戻って来た際、映像が復旧したのはスタート地点から20m付近で、やや復旧に時間を要する印象がありました。
やはり、人が多い環境だと混信しやすいというのは予想通りでした。人混み+トンネルということもあり、厳しい環境でしたので少し場所を変えて
SL広場でも試してみました。

先ほどよりも、周りが開けているため直線距離(約50〜60m)では問題なく伝送できました。
しかし、外周してみると映像がチカチカしたり、一瞬の遅延があったりしたので、開けている場所でも多少は人混み=混信の影響を受けているのかもしれません。
◉高さはどうなの?
番外編になりますが、高いところから、地上へ伝送はどうなるのか?についても少し検証しました。
が、なかなか高いところでの撮影環境が整わず、ビル3F相当(高さ約15m)から検証しました。
結論、問題なく伝送できました。
開けていた環境でしたので遅延、低画質化、支障なく。もう少し高さがあるところで検証してみたいですね。
いかがでしたでしょうか。
ビル街、人混みだと通信が安定せず直線距離でも映像が乱れます。
しかしながら、実際に通信環境が安定した直線距離においては2km〜3kmまで伝送できたという実例も一部メディアで観測できています。
画質を低クオリティに落としてでも伝送距離を伸ばそうとする技術や出力方法が多く優れているところ、DJI Roninnとの相性も良いことから、
DJI製品がDJI製品に生かし生かされる。ユーザーを巻き込んでいく相互性の豊かさが現場で多用される理由なのだろうなと肌で実感しました。
ドローンにせよ映像伝送装置にせよ、今後もDJIが誇る伝送技術は更なる高度な撮影環境においても欠かせない機材を生み出していくことでしょう。
以上、DJI SDR Trasmission Comboでした。
次回後編、このTransmission Comboをも抑える新たな伝送装置が入荷しております...そちらを同条件で比較検証...!
どうぞお楽しみに!
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