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同じ現場で何波使えるか、電波が切れたとき音をどう残すか

UWP-D11は何波まで?B帯と1.2GHz A型デジタルの使い分け

ワイヤレスマイク UWP-D11は何波まで?7波〜は1.2GHz

ワイヤレスマイクのお問い合わせで一番多いのが、「同じ現場で何波まで同時に使えますか」というご質問です。答えは波数の多さではなく、使う電波の周波数帯で決まります。そのうえで、電波が切れたときに音を残す手も先に組み込めます。

この記事で分かること

  • 免許の要らないB帯のワイヤレスマイクを同じ空間で使うときの上限と、周波数の割り当ての手順
  • 7波以上の現場で1.2GHz A型デジタルに切り替える判断と、使用申請の期限
  • 電波が不安定になっても音を残すために、送信機の手前に挟むレコーダーの使い方

受信機1台で受けられる波数と、B帯の設計上限を比べた棒グラフ

結論:6波までならB帯、7波以上は1.2GHz A型デジタル

オルクのB帯ワイヤレスマイク(UWP-D11セット・UWP-D21セット)は、日本国内のB帯=806.125〜809.750MHzの免許不要の周波数に対応します。免許も届け出も不要なので、翌日のロケや取材でも手続きの待ち時間がありません。

ただし、同じ空間で何本も使うときは割り当ての設計が必要です。オルクでは最大6波で設計し、チャンネルプランのグループの縦列の組み合わせで周波数を決め、干渉が起きたら別のグループで設定し直します。7波以上を予定している現場では、業務用の1.2GHz帯のワイヤレスか、電波を使わないピンマイクレコーダーへの切り替えをご提案します(UWP-D11セットの商品ページのよくある質問より)。

見積もりのときは、必要な本数を受信機の台数に置き換えると外しません。B帯のシングルセットは受信機1台で1波、B帯のデュアルセットは受信機1台で2波、1.2GHz A型デジタルのデュアルは送信機2台と受信機1台で2波です。上の図の数字は、いずれも各商品ページの仕様欄から取っています。

B帯のUWP-D11とUWP-D21:違いと、現場での固定

B帯ワイヤレスマイク シングル UWP-D11セット

どちらも同じB帯のセットですが世代が違い、仕様に差があります。周波数帯・免許の扱い・送信出力・連続使用時間は同じですので、商品ページの仕様欄から、違いが出る項目だけを並べます。

項目UWP-D11セットUWP-D21セット
送信機・受信機UTX-B03・URX-P03UTX-B40・URX-P40
最大チャンネル数30ch(125kHz間隔)最大16ch
設定の同期赤外線のIR Sync赤外線のIR SyncとNFC Sync
外部からの電源受信機がUSB外部電源に対応送信機・受信機ともUSB Type-Cに対応

固定の話もしておきます。どちらのセットも受信機にシューマウントアダプターが装着された状態で届くので、カメラのアクセサリーシューに載せる前提で組めます。ソニー製カメラのMIシューに直結したい場合はSMAD-P5のような対応アダプターが必要です。つながることと固定できることは別物ですので、お使いのカメラを教えていただければ取り付け先まで確認します。

飛ぶ距離は環境で変わります。オルクでは有効距離10〜100m程度、樹木の多い屋外なら30〜50m、開けた場所なら50〜70mを目安にしています(UWP-D21セットのよくある質問)。本番前の通信テストは省かないでください。

7波以上・混信を避けたい現場は1.2GHz A型デジタル

1.2GHz A型デジタルワイヤレスマイク デュアル WX-DT130とWX-DR131のセット

1.2GHz A型デジタルワイヤレスマイクのデュアルは、WX-DT130の送信機2台とWX-DR131の受信機1台のセットです。1.2GHz帯のA型は使用申請が必須で、申請がないと使用できません。ご利用日の2営業日前までに、備考欄へ(1)使用日時(月日・曜日・時間帯)、(2)使用場所の住所、(3)現地使用責任者の情報をご記入ください。ひと手間増えますが、商品ページでご案内しているとおり、B帯より安全性と安定性が高まります。

設定は現場に合わせて選びます。WIDEは帯域幅288kHz・遅延時間が約1.1msecで、波数が少なく音質を重視する現場向け。NARROWは帯域幅を192kHzまで圧縮して遅延時間は約2.9msecになりますが、より多くの本数を使え、瞬間的なパルス性の妨害波によるノイズや音途切れを防ぐ性能も強化されています。送信出力は20mW・10mW・2mWから選べ、高くすれば受信機から離れられますが、同時使用の台数が多いと混信しやすくなります。

受信機WX-DR131はショルダーストラップで肩に掛けて運用できます。1.2GHz帯と800MHz帯の専用アンテナ、ピンマイク2本、風防、eneloop pro 8本、周波数表まで同梱です。長い現場や据え置きなら、WX-DR131用の電源アダプターを足して受信機の電池の心配を外せます。

電波が切れても音は残す:DR-10C [RAMSA仕様] という保険

DR-10C [RAMSA仕様]

使用申請まで通した1.2GHz A型でも、電波を使う以上、壁や距離で回線が不安定になる可能性は残ります。そこで足すのがDR-10C [RAMSA仕様]です。RAMSAのピンマイクと2ピース送信機の間に挟んで使うレコーダーで、付属のトランスミッター接続用ケーブルでWX-DT130につなぐだけで、ワイヤレスで音を飛ばしながら、同じ音を本体のmicroSDカードにも録ります。送信機へ渡すパスと本体の録音回路は独立した設計なので、ワイヤレス側で音が途切れても録音は残ります。電波に不安がある現場で、波を1つも増やさずに保険をかけられます。

録音形式はWAV/BWFのモノラルで48kHz・24bit、記録メディアはmicroSD/microSDHCの最大32GBで、32GBのカードが付属します。電源は単4形電池1本で、連続使用時間はアルカリで約10時間、リチウムで約15.5時間。ワイヤレスの送信機や受信機より長く回るので、保険の側が先に落ちません。本体はベルトクリップが装着された状態で届き、寸法は52×55.6×24.4mm、質量は電池を入れて約63g。送信機と束ねても、並べてベルトに付けてもかさばりません。大きな音で割れないよう2つのレベルを同時に記録するデュアルレベル録音、オートゲイン、リミッター、ローカットも備えています。

この製品は、TASCAM純正の組み合わせ(DR-10CとAK-DR10CR)が生産を終了したため、コネクタープレートの部分をオルクで製作したセミオリジナル品です。純正ではIN/OUTのどちらでも機能していた部分を完全に独立させ、耐久性を優先してRAMSA仕様のみにしました。2025年12月には電圧スルー構造に変更し、DR-10C本体の電源が入っていなくてもワイヤレスマイクだけで使えます。1.2GHz A型デジタルのデュアルと一緒に借りられている機材です。

DR-10CとDR-10Lは用途が違う

同じTASCAMのDR-10Lでも音のバックアップは残せますが、役割は別です。DR-10Lは電波を使わず、本人の声を本体のmicroSDカードへ直接録るピンマイクレコーダーで、収録中に音を確認できません。DR-10Cはピンマイクとワイヤレス送信機の間に挟むため受信機側にも音が届き、モニターしながら録れます。一人ずつ確実に録りたい、会場の電波を増やしたくない立ち位置ならDR-10L。ワイヤレスで音を聞きながら保険も欲しい立ち位置ならDR-10Cです。

6波の現場を組むなら(組み合わせの一例)

1.2GHz A型デジタルのデュアルを主役にした、6波の組み合わせの図

6人に付ける現場を、オルクの在庫で組むとこうなります。主役の1.2GHz A型デジタルのデュアルで2波。これにB帯のデュアルセットで2波、UWP-D21セットとUWP-D11セットのシングルを1波ずつ足して、合わせて6波です。B帯側は4波に収まるので、最大6波で設計する前提に余裕が残ります。受信機は4台になるため、受け口の数を先に数えておくのがこつです。電波を増やしたくない立ち位置の方にはDR-10Lを付ける、という方法もあります。

電池が先に切れるのは受信機(約4時間から約8時間)

カタログ値では、B帯のUWP-D11セットは送信機が約8時間・受信機が約6時間(アルカリ電池)。1.2GHz A型のWX-DT130は送信機が約7時間(ニッケル水素電池)・約5時間(アルカリ電池)、受信機WX-DR131は約6時間(ニッケル水素電池)・約4時間(アルカリ電池)です。どの組み合わせでも受信機が先に落ちますので、現場の長さはいちばん短い機器に合わせてください。8時間を超えるなら予備の電池が必須です。付属のeneloopを非充電式のリチウム単三電池に替えると1〜3時間ほど伸び、受信機側は電源アダプターでも賄えます。数字はすべて各商品ページの仕様欄とよくある質問のカタログ値で、RF出力などの設定で変わります。

この記事で紹介した機材

何波必要か、何時間回すか、受信機をどこに固定するか、音を二重に残すか。この4つを先に決めれば、現場でのやり直しはほとんど無くなります。迷ったら、現場の人数と時間、お使いのカメラをお知らせください。周波数帯の選び方からお手伝いします。

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