オルクログ BLOG
2026.11.06
単3形電池×8本はファンタムなしで8chが約6時間。48Vを立てる日はVマウント給電
F8n Proの電池は何時間もつ?8ch収録はVマウント給電で組む

ZOOM の F8n Pro を借りて8chで回す日、いちばん先に決めたいのは電源です。カードは付属の64GBでほぼ足りるので、現場が止まるかどうかは「単3形電池×8本がどこまで持つか」で決まります。オルクの商品ページとZOOM公式の目安から、その境目を1つの数字で出します。
この記事で分かること
- 単3形電池×8本で、8ch・48kHzの収録が何時間もつか(電池の種類別の目安)
- 単3形電池・外部DC・ACアダプターのどれで組むか。USBバスパワーが使えないこと
- 付属の64GBカードで何時間録れるか。2枚目に控えを残す運用と、一緒に借りたい機材

結論:ファンタムなしなら約6時間。48Vを使う現場はVマウント給電で組む
F8n Pro[8ch入力, 最大10トラック同時収録] に付属する単3形の eneloop pro(ニッケル水素)×8本で、ファンタム電源を使わずに8ch・48kHzを録り続けたときの目安は約6時間です。同じ条件でアルカリなら約4.5時間、リチウムなら約9.5時間。いずれもZOOM公式の目安で、商品ページの「電池種類別 連続駆動時間の目安」に出ている数字です。
ただしこの測定は、ファンタム電源OFF・タイムコードOFF・メイン/サブ出力OFF・画面の明るさ5という軽い条件です。8chを192kHzで録り、SDカード2枚に同時に書き、ファンタム48Vを入れ、出力とタイムコードも使う重い条件になると、同じ単3形電池×8本が約1時間まで落ちます。
だから決め手は2つです。ファンタム48Vを使う現場と、6時間を超えて回す現場は、はじめから外部DCで組みます。オルクの F8n Pro には、Vマウント給電アダプター[Dタップケーブル]が標準で付きます。外部DCの日はこのアダプターでVマウントバッテリーから引き、48Vを使わず6時間に収まる取材は付属の単3形電池で回してください。

電源は3つ。USBバスパワーは使えません
商品ページの仕様では、F8n Pro の電源は単3形電池×8本/外部DC 9〜18V/ACアダプター(同梱)の3つです。USBバスパワーでの運用には対応しません。USBのモバイルバッテリーをつないで一日回す、という組み方はできないので、長い現場は外部DCかACアダプターで考えます。
その外部DCに使えるのが、IDX のVマウントバッテリー DUO-C198/P です。容量は191Wh、最大出力は154W(14A 11V時)。D-Tapが2ヵ所あり、1ヵ所あたりの最大出力は80Wで、バッテリー電圧をスルー出力します。質量は1100g、残量は10段階のLEDで読めます。F8n Pro に付属する給電アダプターはDタップケーブル式なので、このD-Tapからそのまま引けます。D-Tapがもう1ヵ所残るので、省電力の小型モニターを足す余地もあります。
気をつける点が2つあります。1つは置き方です。F8n Pro の内容物にあるのはDタップケーブル式の給電アダプターで、本体にバッテリーを背負わせるVマウントプレートも付属します。つながることと現場で固定できることは別なので、バッテリーはバッグや足元に置き、ケーブルで引く形になると見てください。もう1つは輸送です。DUO-C198/P は空輸不可の機材なので、飛行機を使う地方ロケには持ち出せません。その現場は同梱のACアダプターで組むか、ご相談ください。

単3形電池で回すときは、使う前に本体の電池の種類の設定を「ニッケル水素」にしてください。ほかの種類のままだと、残量の表示がずれます。そして現場の持ち時間は、いちばん短い機器に合わせて設計します。本体と、カメラやワイヤレスマイクの受信機それぞれの持ち時間を並べ、短いほうに交換の時刻を合わせてください。どちらが先に切れるかは、立てるマイクの本数と録る時間で変わるので、交換の基準を機材で固定しないでください。
| 録り方 | アルカリ | ニッケル水素 | リチウム |
|---|---|---|---|
| 2ch・48kHz | 約7時間 | 約8時間 | 約13.5時間 |
| 8ch・48kHz | 約4.5時間 | 約6時間 | 約9.5時間 |
| 重い条件 | 約0.5時間 | 約1時間 | 約2時間 |
単3形電池×8本での目安です。重い条件は、8ch・192kHz・SDカード2枚同時録音・ファンタム48V・メイン/サブ出力ON・タイムコード内部・画面の明るさ60のときの値です。ニッケル水素の行は2500mAhの電池での測定で、付属の eneloop pro の実測値ではありません。
カードは付属の64GBで足りる。控えは2枚目に残す
記録メディアはSDカード2枚(SDHC/SDXC・最大1TB)です。48kHz・32-bitフロートのWAVで録ったときの目安は次のとおりです。2トラックはステレオ、10トラックは8ch+ステレオミックスです。
| 容量 | 2トラック | 8トラック | 10トラック |
|---|---|---|---|
| 32GB | 約23.1時間 | 約5.8時間 | 約4.6時間 |
| 64GB(付属) | 約46.3時間 | 約11.6時間 | 約9.3時間 |
| 128GB | 約92.6時間 | 約23.1時間 | 約18.5時間 |
| 256GB | 約185.2時間 | 約46.3時間 | 約37.0時間 |
付属するのは64GBのSDXCカード1枚です。商品ページの「録音時間と電池の目安」では、この1枚で10トラックなら約8時間、2ch(ステレオ)なら約40時間と案内しています。上の表は理論計算値なので、同じ64GBでも10トラック約9.3時間・2トラック約46.3時間と長めに出ます。実際はカードの使える容量やファイル管理の情報の分だけ短くなるので、用意の目安は「録音時間と電池の目安」の約8時間で見てください。1日の収録はこの1枚で収まります。
2スロットの使いどころは、容量よりもバックアップです。同じ音を2枚に同時に書いておけば、1枚が読めなくなっても収録は残ります。バックアップ用には SDカード 256GB[Extreme PRO UHS-I V30] を一緒に。SanDisk の Extreme PRO UHS-I V30 です。理論計算値で10トラック約37.0時間ですから、本体の2スロットに2枚差しても容量で困ることはありません。
サンプリング周波数を上げると、録れる時間は96kHzで半分、192kHzで4分の1になります。192kHzで録れるのは最大8トラックですから、10トラックを使う日は192kHzを選べません。「最大10トラック」という上限は、192kHz以外での話だと覚えてください。
一緒に借りたい機材:操作・同期・音声

8chを一人で回すなら、ZOOM のフェーダー型コントローラー FRC-8[F8n用コントローラー] が便利です。60mmのフェーダーが9本(8ch+マスター)、各チャンネルに12セグメントのLEDメーター。対応機種は Zoom F4/F6/F8/F8n/F8nPro で、F8n Pro にそのまま使えます。電源は単3形乾電池×4本/DC 9〜16V(Hirose)/USBバスパワーの3つで、USBバスパワーは商品ページでは F6・F8n につないだときの記載です。付属の eneloop pro 単3形×4本で回せます。連続使用時間はリチウム電池で最大16.5時間です。
カメラとタイムコードを合わせるなら TENTACLE SYNC E MKII。F8n Pro 側はBNC端子でタイムコードの入出力ができ、精度は0.2 ppm、Jam Sync にも対応します。Tentacle 側の精度は24時間で±1フレーム以内で、23.98/24/25/29.97/29.97DF/30 fps に対応します。こちらも空輸不可の機材です。
マイクまでの線は XLRケーブル[BELDEN 1192A]5m を。スタークワッドシールドで耐ノイズ性に優れ、巻きぐせのつきにくいケーブルです。F8n Pro の入力は8系統すべてXLR/TRSコンボ(Neutrikロック式)で、全チャンネルが48Vファンタムに対応し、チャンネルごとに独立したゲインノブが付きます。
渡し先の形も先に確かめてください。メイン出力はミニXLR(TA3)です。カメラやPA卓のXLRへ渡すときは、付属の「キャノンミニJ→キャノンPケーブル」2本を使います。渡す相手の機材を教えていただければ、ケーブルと変換まで一緒に確認します。
この記事で紹介した機材
- F8n Pro[8ch入力, 最大10トラック同時収録](ZOOM・マルチトラックフィールドレコーダー)
- DUO-C198/P(IDX・Vマウントバッテリー 191Wh)
- FRC-8[F8n用コントローラー](ZOOM・フェーダー型コントローラー)
- SDカード 256GB[Extreme PRO UHS-I V30](SanDisk)
- TENTACLE SYNC E MKII(TENTACLE・タイムコードジェネレーター)
- XLRケーブル[BELDEN 1192A]5m(BELDEN)
8chの組み方と電源の持ち時間は、現場の長さと立てるマイクの本数で変わります。収録の時間と使うマイクを教えていただければ、電源とカードの枚数まで含めた運用をご提案します。




